『セイクレッド・スター』

~魂の故郷への旅立ち~

1 理論編

第14章   「前世・現世・未来世」       by トート 

 今の自分があるのは、前世があるから。未来があるのは、今の自分があるから。


 そう、ものごとを捉えたとき、現世の自分、そして過去世の自分、未来世の自分。

三人の自分が発生すると思います。


 三人の自分は、相対性理論、物理学観点からみた場合、同時存在しているわけです。

 観測点の相違、時間軸を想定した場合のみ、過去、現在、未来が生じるわけです。


 それは、あなた方人間の基準からみた、「時間軸」に過ぎない、ということを、

おわかりでしょう。心拍数の一定のリズム、このリズムによって、

あなた方の「時」は、刻まれていることにお気づきだと思います。


 そして、太陽と月の周期、地球の自転、公転、すべてを考慮されて、

一日、一ヶ月、一年という単位が、暦の単位が生まれてきます。それは、

あなた方が基準とした、仮想時間、空間に過ぎないわけです。


 この太陽系に住む人類にとって、そのような基準がなければ、

あなた方のリズムは狂ってしまうわけです。すべてがバランスよく、

その、バランスというなかの、メカニズムに適応しつつ、

あなた方は、進化してきたわけですから、当然のことといってもいでしょう。


 しかし、それは、観測点の見解の相違に過ぎないのです。


 あなた方の肉体的な意識から、単なる、魂の空間、意識空間、

心の空間に、目を向けてみてください。

 そこでものごとを捉えたとき、肉体には支配されない、別の時間、空間が、

発生していると思います。


 意識の世界は、「時間」は存在しておりません。

 すべてが瞬時に存在するわけです。


 広大な宇宙であろうと、自分の内宇宙であろうと、すべては瞬時。

 一瞬の時も経ずに、同時にあらゆる空間に影響を及ぼしてゆくのです。

 これが、あなた方の、現在、過去、未来における、「多層次元空間」と申します。


  そして、あなた方が生きている、この「実空間」、それと平行して、

「虚空間」というのが発生しております。「虚空間」というのは、

まったく法則性を逆に持った世界。反物質、反ニュートリノ、

そのような物質で構成された世界。それを「虚空間」と申しております。


 そして、ふたつの空間が重なり合って、相互関係を持ちながら、

 あなた方は、この実空間に生きながら、虚空間と、常に意識のやり取りをしながら、

成長しているわけです。


 それも、完全な、虚も実もないゼロの空間へ、戻るためなのです。



 現世があれば、過去世がある。過去世があれば、未来世もある。それも、過去世、

現世、未来世という、一つの時間軸で捉えたとき、現世を中心として、過去世と未来世は、

ペアをなしていることに、気づくと思います。


 つまり、あなた方の持っている意識の層において、

未来に深く目を向けられるようになったとき、または、もっと先の、

2000年先の未来に目を向けられるようになったとしたら、

その、反、時間の作用として、古い古い過去の2000年前のあなたの意識に、

アクセスが出来るのです。すべてが、ペアになっております。


 瞬間、瞬間においてもそうなのです。時空間も、二元性を持っているのです。


 あなた方は、肉体を持っているがゆえに、肉体で、遠い未来を意識できなければ、

そこまで意識を向けられなければ、古い過去の傷も、消すことが出来ないのです。


  このために、過去世のカルマとか、前世のいろんなものに、直面せざるを得ないのは、

それを、キャンセル・中和するという、意識がないからなのです。


 それは、このような長い長い、地球上における魂の、属性に支配されてきたことへの、

弊害というものです。魂がこうあらねばならないから、こうしてきたから、

こうせざるを得なかった、という、原因結果の法則があるわけです。

 これを別名、「転生輪廻の法則」と申します。



 さて、ここで、前世論についてお話いたしましょう。

 あなた方が、前世がなになにであるとか、いろんなことを伝えられたと思います。

 それもいろいろな能力者に。ヒーラーからとか、前世療法から、セラピストから、

霊能者から、そのようなことを伝えられたと思います。


  このメカニズムについて、そろそろ、問題点を明白にしないといけないときが来ました。


 前世論というのは、あくまでもあなた方が、そうせざるを得なくなった、

地球の意識界における、属性に支配されているが故の、

大きな問題の要因になってしまっているということです。


  宗教、精神論、魂論がそういう風にしてきたというのも、大きな問題なのです。

 実際には、前世のカルマによって、このようになったとか、

このような過去があるから、未来がこうなってしまうとか。それは、あなた方が、


 そのような法則に支配されているがゆえに、そうなってしまうという、

この宇宙の根本原理に気づいていないからです。


 地球上の前世論に支配されている限りでは、前世であなた方が、

自分がその前世になりきるか、そうなってしまわないと、また次のステップに進めない。

つまり前世のカルマを、自分が自分で創作して、それを負ってしまうのです。

 それが真実であろうと、なかろうと…。そのような意識と、エネルギーを、

引き寄せてしまうのです。


 過去の意識体の、特定の人物であると思ったとき、その特定の人物のエネルギーを、

あなたは引き受けてしまうのです。それも、あなたの意識レベルで…。


  たとえば、幕末の時代の坂本竜馬にアクセスし、それを意識すると、

そのカルマを背負ってしまうのです。


  もし、そうではないということに気がついたとき、

受け入れる必要はないし、また受け入れてあげる必要もないのです。

 ときたま、その前世を引き受けてしまったために、

現在の自分を見失ってしまうこともあるのです。

 これを「前世に振り回される」というのです。


 もし、それを受け入れるだけの許容があれば、それはかまわないのですが…。

 もしそれが、あなたの人生にとってプラスに転換できるのであれば…。



 人の魂はなんにでもなれるのです。

 あなたが、過去の王様であろうと、女王様であろうと、なんにでも…。

 芸術家であろうと、音楽家、政治家、なんにでもなりうるのです。

 あなたがそう、と思ったとき、あなたの前世は、その存在になったという、

意識が作り出す、別の存在に同化してしまうのです。


 あなたの意識の中に、別の存在が同時に発生し、そして、

現在のあなたがいろいろな体験を積むことによって、過去の存在のカルマも解消する。

 それは、やむをえないことかもしれないのですが、意識エネルギーの法則は、

前世論にも作用してしまうのです。


 この地球の過去の意識体が作り出した残留想念が、

非常に多く汚れてしまったからです。この残留想念を消すというという作業が、

あなた方の教えられている、カルマの解消という行為なのです。


  あなた方が、前世がこうであったと、教えられたとしても、

はたしてそれを確認できるかどうかの保証はありません。

 ただ、あなた方がそれを受け入れたとき、そのカルマを背負ってしまう。

 それを受け入れることを良しとされているのであれば、受け入れてもよいのですが…。


  しかしながら、時々それが、あなたの人生の足かせになることが多いのです。


 これから、21世紀にかけての、地球人の意識というものは、

そのような前世論に振り回されるのではなく、もっともっと大きな自分、

宇宙と一体となれる、そして、すべてのすべてと一体となれる、

なんにでもなりうる自分、存在になって欲しいと思います。


 その中には、いろいろな人たちの過去の人物の意識も、すべて含まれるのです。

 人のみならず、動物界、植物界、鉱物界、それらの存在とも、一体になりうるのです。


 本当にそうなれたとき、自分は、自分だけではない、

すべてと、ひとつであるということを、心から感じることができるものです。


 そして、宇宙とひとつ「ワンネス」を、魂が経験するのです。


 もうそろそろ、前世論に振りまわされるのは、終わりにしてはいかがでしょうか。

地球人には、もうそのような概念は必要ないのです。






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