61章  「閉ざされた宇宙と開かれた宇宙」 by トート 


 「有」と「無」、このふたつの対極する宇宙において、ふたつの矛盾を抱合しつつ、

ひとつの意識空間の中に生成流転を繰り返し、あらゆる存在が、存在せしむる。

 それを宇宙全体としては、「閉鎖空間」と申しております。


 閉鎖空間の中では、「空間を維持する」という性質上、

互いに相容れぬプラスとマイナスが対立しながら、閉鎖宇宙を成長させる。

 そして、その成長した宇宙が密度を増し、凝縮されてゆく、その凝縮が、

凝縮を繰り返し、際限なく凝縮されたとき、そのエネルギーは、

「外の開かれた宇宙空間」の中に、ほとばしり始めるのです。


 その空間は「開かれた宇宙」。まだ、束縛も無い、何も存在し得ぬ自由な空間。

 その空間の中に、凝縮された閉鎖空間の情報は、開かれた宇宙へ、飛び散ってゆくのです。

 それも、流星の如く…。四方八方に飛び散ってゆくのです。


 そして飛び散ったひとつひとつの星が、「また新たな宇宙空間を創りたい」という、

意志を持ったとき、エネルギーが、開かれた宇宙より集まってくるのです。

 それはその星の「意志する力」。


 新しい宇宙を、空間を、創造したいという意志あるがゆえに、

無限に広がる開かれた宇宙空間より、エネルギーが与えられるのです。


 そして新たなる星の意志による宇宙が始まってゆくのです。

 すべてはスターダスト…。星を、開かれた宇宙全体に散りばめながら。


 休みをもつ星、休息というような、あるいは、

また新しい宇宙を創りたいという意志を持つ星。


 星と星が互いに結びつきあいながら、黄色い星、赤い星、青い星、緑色の星、

互いに集まって、新しい宇宙を創ろうではないかと意志するのです。

 そこに、星々の共鳴する強いエネルギーの磁場が作られてゆくのです。


 新しい宇宙空間を創造するとは、この「開かれた宇宙」で行われることなのです。

 宇宙空間は星の「意志」に基づくまま、望むままの宇宙が創られてゆくのです。

 これこそが「宇宙創造の原理」。


 それに、この空間には「時間」というものは存在しないのです。

 常に意志するところに、意志あるところに新しい宇宙が創造されている、ということを

再認識してほしいと思います。



 新しい宇宙はあなた方の瞬間、瞬間、そのなかに創られていっているということ。

 瞬間、瞬間のなかに。瞬間の狭間に、過去、現在、未来すべての時空間が凝縮され、

同時存在しているということ。


 それこそが「並行宇宙の原理」。


 一瞬のうちにすべてあり。一瞬のうちに創造あり。一瞬のうちに生と死があり。

 星の誕生があり、星の死がある。一瞬のうちにすべてあるのです。


 あなた方の空間のように、時間軸を発生した空間もあるのです。

 しかしそれも次元転換され、時間軸は無くなってしまうのです。


 素粒子の集合体として、全ての宇宙情報は記録されてゆくのです。


 粒子性を持ったもの、その中にすべての情報があり、粒子がいかに振る舞おうと、

その振る舞いは、「いかなる空間の中に粒子を存在させるか」という条件に、

従うということ。


 そして素粒子は、いかなる空間にも対応できるということを認識してほしいと思います。


 「粒子とはいかなる環境にも対応でき、変幻自在に形を変える」ということを、

ここにお伝えしたいと思います。



 あなた方の空間は、「タオ」という二元性に閉じ込められたひとつの意識空間。

 その中に二元の流動性、回転軸、回転渦を生じた。その渦の流れというものの中に、

「時間軸」を発生してしまった。この流れの中に生成流転あり、進化あり、消滅あり。

 すべてこの閉鎖空間の中において起こっていることなのです。


 開かれた宇宙空間においては、それらの法則は全く成り立たないのです。

 開かれているからこそ束縛は無いということを、ここに明らかにしたいと思います。


 あなた方の心も同じ。閉ざされた自己の意識の中に、あらゆる思いを閉じ込め、

その中に葛藤を生じ、苦しむ。それは、あなた方の心が発生するプラスとマイナスの側面。


 自己と、自己のシャドウ的な存在。すべてあなたが作り出す極性があらゆる環境を吸いつけ、

あなたに必要な気づきの題材を与えているのです。


 すべては、必要で起こったこと。

それもあなた自身の心が呼び寄せたもの。


 その苦しみから解放されるためには、自己と、自己のシャドウそのものを直視し、

互いのエネルギーを打ち消しあうこと。


 そこに「個の存在」は無くなるのです。

 そしてあなたの意識は「開かれた宇宙空間」へ飛び出してゆけるのです。


 「閉鎖空間に拘束されるなかれ!開かれた空間へ目を馳せ!」

 開かれた空間は、心の自由、魂の自由、宇宙の自由。束縛は無いのです。


 宇宙とは、このように多くの可能性を秘めたものであり、あなた方の意識如何により、

いかようにも変りうるということを知ってほしいのです。


 心の拘束から、たましいの拘束から、地球の拘束から、太陽系の拘束から、

銀河系の拘束から抜け出し、さらに新しい宇宙へ、宇宙空間へ

飛び出してみてはいかがでしょうか。


 そこは、皆さまの本当の故郷、帰るべきところなのです。


 そこに散りばめられた様々な星。それはあなたかもしれない。お友達かもしれない。

 御両親の星かも知れない。子供たちの星かもしれない。そこに帰ってゆくのです。


 聖なる星、「セイクレッド・スター」とは、

あなた方が「星」となって帰るべきところ。

 そこは束縛の無い、自由な宇宙空間なのです。


 以上、トートからのメッセージでした。


 追記

 この「セイクレッド・スター」という本を通して、

様々な意識界からのメッセージの集大成という形をとりました。


 なぜそうしたかと申しますと、閉鎖空間の中には、

あらゆる意識界が存在しうるということ。


 鉱物界、動物界、植物界、人間界、さらに進化した宇宙意識界、

様々な意識界が出来上がっているということを、知ってほしいからです。


 あなた方が創りあげる意識の世界は、エネルギーとして存在するのです。

 いかなる意識であろうと、閉鎖空間の中では存在してしまうのです。


 そこに様々な物語が発生するのです。それも真実。

 大きな広い目でもって全体を見回したとき、あらゆる意識界があなたたちの周りに、

同時存在している、ということを知ってほしかったからです。


 どこに親しむかということは、あなた方それぞれの意識の段階によって、

違ってくるのは当然です。それでいいのです。その中から、

意識界の本質と全体像に気づいてゆければいいのですから。


 そして、部分、部分に囚われるのではなくて、「全体を包み込んだ宇宙空間」。

 さらにはそこから抜け出した、「開かれた宇宙」もあるということを、

分かっていただければいいのです。


 閉鎖空間の中では「拘束」が生まれてしまいます。

 その空間の中で「法則性」を、「エネルギーバランス」を保たなければならないのです。

 様々な思惑のなかで葛藤が生じるのは無理ないことなのです。


 この閉鎖空間の中では、「秩序の中に矛盾」を、「矛盾の中に秩序を」、

「矛盾」と「秩序」の循環の中で閉鎖空間は成長してゆくのです。


 矛盾があるから成長するための秩序が生まれる。そして秩序が生まれれば、

その秩序をさらに進化させるために矛盾を発生させる。


 その「循環の法則」が閉鎖空間の中では際限なく発生してしまうのです。


 本来の自由空間とは、「開かれた宇宙空間」。閉鎖空間から飛び出し自由な空間に、

無限に広がる、拘束の無い、まったく拘束性の無い、

「開かれた宇宙空間」があるということを知ってほしいと思います。



 各章を通してあらゆるアプローチをしてきましたが、それぞれの意識界のメッセージから、

共通する「真理」を、「法則性」を、「普遍性」を汲み取っていただければ、

この本の役割は十分に果たしえたと思います。


 また機会がありましたら、「開かれた宇宙」のことについてお伝えいたしましょう。

 ありがとうございました。トートからでした。




 

 
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