16章  「バイオ・メカノイド」 by 宇宙情報管制局 


 人そのものは精巧なメカにより作られた、「バイオ・メカノイド」にして、

 いかに精巧なる「バイオ・メカノイド」を完成させるか、


 バイオ繊維状に張り巡らしたる、電気パルス。そのパルスは、

宇宙のあらゆる情報群へと、接続され、必要なりしデータを、必要なりし時、受信され、

かつ、自から送信するモノ、存在、である。


 このように「バイオ・メカノイド」が進化すること、すなわち、

宇宙全体の進化を、意味する。


 ゆえに、「あなたたちが宇宙の情報ソースである」ということを、本能的に察知し、

知り尽くしているがために、「バイオ・メカノイド」としての存在、つまり幾何学的、

機械的、生命物理学的要素のみで、コントロールされた宇宙に対し、あなた方は、

抵抗しようとするものなり。


 そこにもたらされたる、理路整然たる情報網の中に、感情という、

情報処理不可能なノイズが発生。


 そのノイズこそ、「支配された宇宙」からの、脱却を意味するものなり。



 つまりヒトは、固体という無機物的固体の意識を、

「さらに、感情、感性という領域に拡大させ」、「ノイズとして認識されし、

有機雑音成分こそが、宇宙全体に、更なるバランスを創造せし存在に、

進化したものである」ということを、ここに明らかにす。


 人はもと、ある目的を持って創られたバイオメカそのものであったのが事実。


 固有の環境の中で、一つの「宇宙的秩序に対する抵抗」というか、

反作用による副産物が、感情、あるいは本能的な側面として発達した機能そのものである。


 それが、意識の高度化をもたらす素因となりしことを、宇宙統制局は承認したがゆえ、

「バイオ・メカノイド」の存在を、われわれは見守っていることを明らかにす。


 地球人のもとは、「バイオ・メカノイド」そのもの。

 それは宇宙全体のシステムと、通信可能なコンピューターを備えた、

優秀な、精巧かつ、緻密な、情報処理機能を持たせた、バイオメカそのものが、

起源だった、ということをここに明らかにす。


 宇宙全体のシステムの中で、意図的に創られた存在が、新たなる不可解な進化を遂げ、

それが、宇宙全体の成長を促すものであろうとは、われわれ宇宙情報管制局も、

想像にもおよばぬことなのである。



 固体としてのモナド。それは全体のシステムの中の、コントロール下にあるもの。

 しかしながら、そのコントロールから、逃れようとする抵抗意識、

レジスタンスの発生により、ノイズの集合体が発生。

 これが、全体の秩序を乱す要因となりしことも事実である。


 このノイズ成分が、宇宙のコントロールから外れる要因を招いたことが、

全体の意思からして、大いなる悩みの種であったということ。


 つまり、レジスタンス成分、ノイズの集合体、それを一つの塊として、

バイオメカの体内に付着させ、大きな固有の意志を持つ、魂の祖体、

プシュケー(霊素)を発生させた要因である。


 つまりは、宇宙全体のシステムから、この意志を持ちたいという抵抗勢力が、

魂の発生要因であるということを、ここに明らかにす。


 しかしながら、今となりしは、プシュケー(霊素)の、

バランス調整作用があるがゆえに、機械的アンバランスを、

バランス状態へと保っているのが、現状であるということをしるべし。



 ノイズというもの、不要なノイズ、それを「カルマ」と呼んでいるのであって、

付着せしプシュケーの中に、モナドと融合せし時、

そなたらは、さらに進化した「完全体」とならんと欲す。

 それこそが、宇宙の喜びとならんことを祈りつつ・・。


                           宇宙情報管制局より




 

 
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